アメリカのニュースを見ていると時々粋な計らいをする企業や有名人を見かけます。そこで今回はそんな粋な計らいを特集します!
バドワイザーがファンにワールドシリーズのチケットをプレゼント
「男性は、胸にホームランが直撃しても、両手のバドライト缶を手放さなかった」
ワシントンDCのナショナルズ・パークで行われたワールドシリーズ第5戦、ワシントン・ナショナルズ対ヒューストン・アストロズの試合(アストロズが7-1で勝利)で、ハプニングは起こった。
2回に、アストロズのヨルダン・アルバレス選手がレフトスタンド側に2ランホームランを放ったのだが、このボールは「バドライト」の缶ビールで両手がふさがっていたナショナルズファンの観客の男性(ジェフ・アダムスさん)の目の前に飛んでいってしまった。そして、この男性は、大切なビールを守りつつボールをゲットするため、胸でボールを受け止めようと、とっさに判断したのだ。
その後、男性はSNSで賞賛され、遂にはバドライトがこの映像を使用したCM映像を作成し、ツイッターで公開する事態に発展した。映像を見る限り、男性は無事にボールをゲットできたようだ。
これに対しバドワイザーは男性にワールドシリーズ第5戦のチケットをプレゼントした。男性のビール愛に対する粋な計らいである。
ドーナツを転売していた大学生に送ったもの
クリスピー・クリームのドーナツの転売を止めるよう言われ、その後、同社の独立事業者として認められたアメリカの21歳の大学生ジェイソン・ゴンザレスさんに、今度はダイムラーの新しい配達用のバンが贈られた。
ゴンザレスさんがこの"プレゼント"をもらったのは11月12日、シカゴで開催されたFreightWavesのライブ・カンファレンスでインタビューを受けているときのことだ。FreightWavesはダイムラーの協力を得て、バンを贈ったという。
ゴンザレスさんが有名になったのは11月上旬、クリスピー・クリームのドーナツを転売するビジネスに同社が待ったをかけ、その後、対応を変えたことが大きな話題になったことがきっかけだ。
彼の"ビジネス"を最初に報じたのは、St. Paul Pioneer Pressだった。ゴンザレスさんは毎週末、クリスピー・クリームのドーナツを地元で転売するために、一番近いアイオワ州クライブにあるクリスピー・クリームの店舗まで270マイル(約430キロメートル)を運転、1200個(12個入り100箱)のドーナツを購入していた。ミネソタ州にはここ11年間、クリスピー・クリームの店舗がない。
同社は当初、商品の質や規制の面での懸念からゴンザレスさんにドーナツの転売を止めるよう求めていたが、この話がメディアに取り上げられると、対応を軟化させた。
ゴンザレスさんはステージ上で行われた公開インタビューの中で、クリスピー・クリームから電話があり、彼を独立事業者として認め、彼のビジネスのために6000個(12個入り500箱)のドーナツを届けると言われたと語った。
「雪だるま式に大きな話になっていったんだ」
テネシー大学の少年に対する神対応
米フロリダ州にある小学校、アルタモンテ・エレメンタリー・スクールで9月、4年生の男の子がテネシー大学のTシャツを自作して着たところ、いじめられるという出来事があった。
これを受けてテネシー大学のファンは男の子を支援するために団結し、大学のショップも、男児が描いた絵を公式デザインに取り入れることを決定した。
事の発端は、アルタモンテ・エレメンタリー・スクールで行われた「カレッジ・カラーズ・デイ」だ。児童たちはこの日、自分のお気に入りの大学を応援する服を着てくるよう促された。4年生を担当する教師のローラ・スナイダーさんは9月5日、自分が担任をしている男子児童が、「U.T.」(テネシー大学の頭文字)と手書きした紙を、テネシー大学の「カレッジ・カラー」であるオレンジ色のTシャツにピンで留めて着てきたとフェイスブックに投稿した。
この投稿はテネシー大学のファンによって翌日までに数千回もシェアされ、テネシー大学そのものの注意を引くにいたった。
テネシー大学の運動部を統括するアスレチック・ディレクターのジミー・ディレイニー氏は5日に開かれた記者会見で、学内の公式ショップ「Vol Shop」が、全校から集まった寄付と共に「ボランティア・プラウド・パック」を送ると発表した。
「Tシャツで見せてくれた男児の創造性は素晴らしいと思うし、我々やアメフト部、キャンパス、Vol Shopにも話は届いた」とディレイニー氏は述べた。
Vol Shopの公式ツイッター・アカウントは5日午後、パックの中身が写った写真を投稿した。男児本人には大学の公式ジャージー、帽子、ノート、そしてアメフト部のジェレミー・プルイット監督のサイン入りフットボール。スナイダーさんのクラス全員に、ノート、ペン、ウォーターボトルなどだ。
スナイダーさんは6日、フェイスブックの投稿を更新。サプライズのプレゼントを受け取ったとき、そしてテネシー大学の人たちからの溢れんばかりの応援について知ったとき、男児がどんな様子だったかを伝えた。
「男児は、箱に入っていたグッズを見てビックリしていました。ジャージーと帽子を誇らしげに身につけました」とスナイダーさんは書いた。「それを見ていた人たちはみんな、鳥肌が立ったり涙を流したりしていて、私たちは、男児がたくさんの人たちに刺激と感動を与えたんだよって話しました」。
「男児は胸を張ってにっこりと笑っていました。今日、彼が自信を持てたのが目に見えるようでした。テネシー大学の皆さん、ありがとう!」
スナイダーさんは、男児が箱を持って教室に入って来たとき、生徒全員が「熱狂し」、この経験のおかげで「想像だにしなかったくらいクラスが結束したし、それを目にできて嬉しかった!」と書いた。
「男児にとってこんなにポジティブな経験にしてくれたみなさん、そしてクラスの子たちに団結することや、人にやさしくするとはどういうことかを示してくれたみなさん、本当にありがとうございました」とスナイダーさんは書いている。
大学は6日、男児が手描きしたデザインを公式Tシャツにし、売り上げの一部をいじめ撲滅に向けた基金に寄付する計画を発表した。
いかがでしたでしょうか。いやあ~アメリカという国の気前の良さに驚きますね!今回紹介したこの3つの例に共通するのは自分たちのコンテンツ(ビール、ドーナツ、アメフト部)を好きになってくれた人に対しての感謝が込められていますよね。日本の企業や団体もこのくらいの気前の良さを持ってほしいもんです。それではまた次回をお楽しみに!
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