こんにちは。今回は前回に続き、ユダヤ人と核爆弾について語っていこうと思います。
ユダヤ系アメリカ人と核の関わり
まず初めにユダヤ系アメリカ人と核の関わりについて説明したい。第二次対戦中ヨーロッパで迫害されていたユダヤ人の多くがアメリカに移民した。そしてナチスに対抗するため、その中で優秀な科学者だったユダヤ人(アインシュタイン、ノイマン)と在米ユダヤ人のオッペンハイマーなどはマンハッタン計画という原爆開発プログラムに参加した。つまり核爆弾を作ったのはユダヤ人と言っても過言ではないのだ。
アメリカ人の核爆弾に関する認識
日本では多くの人々を殺害した悪魔的兵器として認識されている核爆弾だが、アメリカでは真逆だ。戦争を終結させた素晴らしい兵器・平和の象徴のような認識までされることもある。またアメリカを栄光に導いた象徴でもあるのだ。
ユダヤ系アメリカ人が核爆弾を肯定するしかない理由
そして今回のメイントピックだが、何故ユダヤ系アメリカ人は核爆弾を肯定するのか。理由は主に下記の3つだ。
①悪魔的兵器を開発した人種というレッテルでスケープゴートにされたくないため
②ナチスを倒すためという大義名分があったため
③アメリカとイスラエルが自己矛盾を起こさないため
それぞれ下記で説明する
① 悪魔的兵器を開発した人種というレッテルでスケープゴートにされたくないため
これに関しては核爆弾批判が米国内で高まると、ユダヤ陰謀論者などがその罪をユダヤ人になすりつけようとする恐れがあるためだ。かつてヨーロッパでも何か人々が王政に怒りをぶつけたら、国王はすぐにユダヤ人をスケープゴートにしてきた歴史がある。それを繰り返さないためなのである。もう彼らは引き返せないのだ。
②ナチスを倒すためという大義名分があったため
冒頭でも説明したが、核爆弾を作った目的はナチスを倒すためであるのでユダヤ人たちにはそれなりの正当性がある(広島・長崎投下とは別件)ここはホロコーストで苦しんだユダヤ人にとっては一番譲れない点だろう。
③アメリカとイスラエルが自己矛盾を起こさないため
現在ユダヤ人が最も多く住んでいる国はイスラエルとアメリカである。そしてこの二カ国はどちらも核保有国である。なので簡単に核を否定できないのだ。
日本とアメリカの原爆投下への認識は平行線
上記の認識を日本人が理解しない限り残念だが日米の原爆投下への認識は平行線だろう。少なくともアメリカ政府はユダヤ系のロビーを受けているし、イスラエルとの関係もあるため、全面謝罪は不可能だ。現バイデン政権にもエマニュエル駐日大使、ブリンケン国務長官などをはじめ多くのユダヤ系アメリカ人(一覧を見る)がいることもあり、中にはホロコースト生存者の子孫もいるため彼らが悪く映るようなことは余計に言えないのだ。
またハリウッドの映画会社やマスメディアもユダヤ系との関わりが深いため、安易に謝罪できないのだ。
先日映画「バービー」と「オッペンハイマー」をかけた”バーベンハイマー”というmemeができ、その中で原爆を茶化したようなファンアートに日本から批判が殺到したが、これに対抗するかのようにエマニュエル大使はバービーの応援ツイートをした。
“Barbie is all these women. And all these women are Barbie.” For over 60 years, #Barbie has shown the world that women can be anything they want to be. With @BarbieTheMovie, we’re seeing that in real life and on the big screen. Well done, Greta, on your spectacular storytelling… pic.twitter.com/We2CPNEa1X
— ラーム・エマニュエル駐日米国大使 (@USAmbJapan) August 2, 2023
今回の出来事は上記で説明したことを顕著に表していると思う。今回の一件で散見されたツイートとして「なぜホロコーストではあんなに敏感なのに、原爆投下はスルーなのか」という意見が多かったが、あくまで彼らは身の回りや同胞についてしか関心がない。ここを理解すべきである。同情を求めるのは無意味だ。
ただし、今日のユダヤ人の多くはアシュケナージ(白人系ユダヤ人)でユダヤ教の教えから遠ざかっているため、正統派の敬虔な人間と同一視はできない。また全体的にアジアとは縁遠い人種であるためアジアへの理解度は低い傾向にある。その点は彼らの落ち度だし、反省点だ。
終わりに
だが、ユダヤ人から学ぶことは非常に多い。大戦中日本は河豚計画というユダヤ人救済計画を練っていたこともあるが、なぜフグという名前にしたかというと「優秀だが毒を持っている」使い方次第で味方にも敵にもなるという意味なのだ。よって日本人がすべきことはユダヤ人の歴史について深く理解することである。これができれば日本は有利な位置に立てると信じている。絶対にしてはならないのは反ユダヤ運動だ。
被爆された方々をケアしつつユダヤとアメリカを理解する。これが日本にできる最善の道である。
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