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混沌とするニューヨークその③ 増加するヘイトクライムと反警察


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憎悪犯罪(ヘイトクライム)は2018年の356件から428件へと増加した。ユダヤ教徒への憎悪犯罪は全体の55%を占め、186件から234件へと増加している。これらには、かぎ十字の落書きなども含まれる。

コロナウィルスによるアジア人風評被害
マンハッタンのチャイナタウンで1日午後6時頃、マスク姿の女性が暴行される事件が発生した。ニューヨーク市警察(NYPD)は4日、憎悪犯罪(ヘイトクライム)の可能性があるとして、被害を届け出るよう呼びかけている。

NYPDがシェアした動画には、フードを被りメガネと黄色いマスクを着用した女性が、男性から暴行される様子が映っている。

ニューヨークポスト紙によると、Dトレインのグランドストリート(Grand Street)で事件を撮影した人物は、マスク姿の女性は地下鉄の出口階段の上に座りこんでいたとSNSで説明している。彼女は階段を通る人々に対して、右側を通るように言っていたという。

男性が、マスク姿の女性に「病気のビッチめ」と言った後、女性は男性にその場を退くよう伝えた。その後、男性は女性に顔を近づけ、周りに音が聞こえるほど強く頭を殴ったという。目撃者は、この段階からビデオを撮影し始めた。

殴られた女性はガラス瓶を持ち、男性を追いかけた後、男性が女性に反撃した。女性は瓶を地面に投げつけ、周りの人に対しても敵対的な態度だったと述べている。顔は見えなかったので、アジア系かどうかは不明だとしている。

撮影者は「両方に非があるように見えるが、人種間の敵対意識によって状況がエスカレートしたように思う。」と見解を述べた。

同事件に関して、コロナウイルスによる憎悪犯罪だと報じるメディアも複数見られた。

この事件とは別に、アジア系女性に差別的な言葉を浴びせた男性が、職場を解雇される出来事もあった。

20代の男性は、外で空き缶を収集している女性を撮影しながら「だからウイルスに感染するんだ。ゴミ箱からあさり続ければいい。このばかもの。」と発言。その動画をSNSに投稿した。動画は既に削除されているが、Redditなどで拡散されている。

男性はこの動画が原因で、勤め先を解雇された。男性はgothamistで事実を認め、謝罪を表明した。

ユダヤ人襲撃事件
ユダヤ教徒の祭日ハヌカ(Hanukkah)の期間中、ニューヨークでユダヤ人への憎悪犯罪が9件発生していたことが分かった。

CBSニューヨークによると23日、2件の憎悪犯罪が発生した。ブルックリンのウィリアムズバーグの住宅用ビルのロビーで、6歳と7歳の少年が未成年のグループに暴行を受けた。ミッドタウンでは、65歳の男性が中傷的な言葉を浴びせかけられ、殴打された。この事件に関連し、フロリダ州の男性が拘束されている。

24日には、ブルックリン区のクラウンハイツ(Crown Height)などで3件のユダヤ人を狙った攻撃が通報されている。

25日深夜、同区ボローパーク(Borough Park)で伝統的な服装で歩いていた40歳のユダヤ人男性が、何者かに進路をふさがれたのち、顔を殴られ負傷した。

26日、同区グレーブセンド(Gravesend)で3歳の子供と歩いていた若いユダヤ人の母親を殴り、反ユダヤ的な言葉を浴びせたとして、42歳のホームレスの女、アヤナ・ローガン(Ayana Logan)が逮捕された。

27日、クラウンハイツで3人のユダヤ人女性を殴り、反ユダヤ的な言葉で中傷したとして30歳の女、ティファニー・ハリス(Tiffany Harris)が逮捕された。

同日、何者かがコミュニティーセンター「チャバド・ルバビッチ・ヘッドクオーター」(Chabad Lubavitch World Headquarters)を訪れ、正統派ユダヤ教徒を銃撃すると脅迫する事件が発生した。

ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)ニューヨーク市長は27日に、チャバド・ルバビッチ・ヘッドクオーターを訪れ、「今起こっていることは、許容できない。」と非難した。さらにウィリアムズバーグやクラウンハイツ、ボローパークなどのユダヤ人が多く居住する区域での警備を強化させると発表。「ユダヤ人コミュニティーを脅かす者には、裁きが下る。」と述べている。

グランドセントラルステーションで反警察デモ
31日、マンハッタンのグランドセントラル・ターミナルでは、マスク姿の反警察集団が、地下鉄の取り締まりへの反対や運賃廃止を訴え、大規模な抗議活動を行った。



午後5時ごろ、プラカードを手にメインコンコースに集まった抗議集団は次第に増え、時計のあるインフォメーションブースを中心にフロア全体に広がった。参加者には若者が多く見られた。

数百人に膨れあがった集団は「F― The Police」、「How do you spell racist? NYPD」(人種差別主義者ってどう書くの?NYPD)といった掛け声とともに抗議活動を開始。プラカードや横断幕には「「警察不要、運賃も不要だ!」「公共交通機関を無料にしろ」のほか、「ブラック・ライブズマター」「警察はブラックキッズに手をかけるな」「警察は大学から出て行け」「警察は地下鉄から出て行け」など、様々なメッセージが掲げられた。参加者の1人は、貧困は罪ではない。警察は貧困層を取り締まっていると語った。

一部は地下の改札に向かったが、警察に侵入を阻まれた。警察はマスクをした抗議者を強引に取り押さえ、これに集団が反発するなど、帰宅途中の通勤客であふれる建物内は混乱に包まれた。
ニューヨークポストによると少なくとも12人の逮捕者が出た。30分ほどの抗議の後、集団は駅から出て、タイムズスクエア駅に向かって行進した。


ガーディアンによると、活動は、昨年10月、地下鉄車両内にいる非武装の男性を、銃を向けた大勢の警察官が取り押さえた事件をきっかけに、反警察運動として草の根的に広がっていった。同事件に関し、ニューヨーク市警察は、男性が銃を持っているという目撃証言があったと弁明している。
またMTAが不正乗車取り締まりのために500人の警察官の増員を決定したことも、反対運動の活発化に拍車をかけている。

同日、グランドセントラル以外の駅でも、落書きや、鎖を使用して緊急ドア解放して不正乗車を促す行為が行われた。ニューヨークポストによると、ブロンクスの刑事裁判所で2名の女性が「F- The Police」のサインを掲げ一時身柄を拘束された。また非接触型の運賃支払いシステム「OMNY」への落書きなども見つかっている。

グランドセントラルでは、午前中から大勢の警察官が警戒にあたった。集会を前に、テレンス・モナハン警視総監は、集団が「警察官への身体的攻撃を試み、破壊行為と利用客を危険にさらして混乱を起こすなど、夕方の地下鉄の交通を破壊しようとしている」と述べ、「法を犯すものは逮捕する」と強く取り締まる意向を表明していた。

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