スキップしてメイン コンテンツに移動

アメリカで蔓延するフェンタニル

これは第二次アヘン戦争の幕開けなのだろうか。

今、アメリカではフェンタニルという鎮痛剤が蔓延している。もはや鎮痛薬を通り越して麻薬である。まるでかつてのアヘンやモルヒネのようだ。そしてそのフェンタニルの原料は中国産である。

 日本ではあまり知られていないが、中国はこのところ米国社会のアキレス腱を狙ってひそかに反撃に出ているからだ。米国社会は銃乱射を始め様々な問題を抱えているが、最も深刻なのは薬物中毒だ。

薬物で最も問題になっているのは医療用麻薬フェンタニル。モルヒネの50倍の強度を持つ鎮痛剤であるフェンタニルは、末期のがん患者の苦痛を緩和するために開発されたが、過剰摂取による死亡事故が多発している。

薬物によってゾンビ化した人々

米国では2021年、薬物の過剰摂取で死亡した約10万7000人のうち、3分の2がフェンタニルが原因だ。通常の麻薬より安価であることに加え、医療用とされていることから、依存性が強いがにもかかわらず安易に手を出してしまうと言われている。

実はトランプ前政権は2018年から中国政府に対し、フェンタニルの米国への輸出を規制するよう、働きかけを強めた。

この問題が重視されたのはトランプ氏の支持者が多い「ラストベルト」が全米で最も深刻な被害を受ける地域の1つだったからだ。

米国との貿易摩擦を回避する観点から、中国政府は2019年からフェンタニルの輸出規制を強化した。これによりメキシコ経由での流入は続いているものの、中国からフェンタニルが米国に直接輸出されることはなくなった。

だが、バイデン政権の圧力強化に不満を募らせる中国政府は、報復として2019年に強化したフェンタニルに関する輸出規制を緩和している(2022年12月27日付ウオールストリートジャーナル)。

アメリカ社会の怒り


ホワイトハウスで薬物問題を担当するグブタ国家薬物管理政策局長は1月24日付英フィナンシャルタイムズのインタビューで「中国とメキシコの犯罪集団が(米国での)フェンタニルの流通を拡大させるのは時間の問題だ」と危機感を露わにしている。

ブリンケン氏の中国訪問を前に、ルビオ氏を始め14名の共和党上院議員は「フェンタニルの規制を主要議題の一つにすべきだ」との書簡を国務省に送っていたが、その願いはむなしく露と消えてしまった。

「21世紀版アヘン戦争」を仕掛ける中国に対する米国側の怒りがエスカレートすれば、両国関係は危険なレベルにまで悪化してしまうのではないだろうか。

いかがでしたでしょうか。中国はフェンタニルの原材料を輸出していますが、一方で中国は麻薬に対してとても厳しい国でもあります。そう考えると彼らはとてもダブルスタンダードですよね。中国も問題ですが、同じくらい問題なのはこの社会問題を放置している米民主党政権です。彼らが製薬会社に対してアクションを起こさない限り、この問題は無くなりません。何もしなければトランプ待望論が再び全米で起こるかもしれませんね。

薬物によって親を失う子供を減らすためにも一刻も早い解決を望みます。

コメント

このブログの人気の投稿

幻の英雄ボビーフィッシャー

  こんにちは。管理人です。最近なかなかネタが無くて困っているのですが、日本では将棋の藤井壮太さんがタイトルを獲得し話題になっていますね。そこで今回はアメリカで幻の英雄の異名を持つ天才チェスプレイヤーボビー・フィッシャーについて解説したいと思います。 生い立ち ボビー・フィッシャー(Bobby Fischer、1943年3月9日 - 2008年1月17日)は、アメリカ合衆国のチェスプレーヤー。チェスの世界チャンピオン(1972年 - 1975年)。本名ロバート・ジェームズ・フィッシャー(Robert James Fischer)。 1943年3月9日、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにおいて誕生。その後ニューヨークのブルックリンに移住。母親のレジーナ・ウェンダー・フィッシャーは当初ハーマン・J・マラーに秘書として雇われたが、マラーに才能を見い出されて、医学を学ぶように薦められた。父親のハンス・ゲルハルト・フィッシャーは、ハーマン・J・マラーと共にモスクワの大学へ招聘された生物物理学者である。2人はモスクワで結婚し、娘のジョーンが生まれた。しかし、ソ連で反ユダヤ主義が広がり出すと、ユダヤ人の2人はパリへ移住した。後にレジーナは離婚し、国籍を持っていたアメリカへ子供を連れて移住するが生活は苦しく、ジョーンを父親に預けていた。また、シカゴの病院でロバートを出産した時には、ホームレス同然だった。出生証明書にある父親の記入欄にはハンスの名が記載されているが、彼は生涯アメリカに入国したことはなかった。1949年(6歳)、ボビーの姉は、落ち着きのない弟を静かにさせるため、1ドルのチェス・セットを与えて、チェス・ゲームの簡単なルールを教えた。そこでボビーは、すぐにチェス・ゲームの虜となった。1957年(14歳)、インターナショナル・マスターとなる。 翌年(1958年、15歳)、グランドマスターとなる。15歳でのグランドマスターは、世界最年少記録だった。だが、1962年(19歳)、国際舞台から引退した(但しアメリカ国内の大会には出場した)。 プレー・スタイルにはボビー・フィッシャーならではのものがある。例えば、1956年の対ドナルド・バーン戦において、クイーンをわざと捨てることで、勝利した。また、1963年の対ロバート・バーン戦においても、ナイトを捨てて勝利した。しばしば、「天才」と称

アメリカの美味しいIPA

こんにちは。管理人です。皆さんは普段どんなビールを飲んでいますか?私は最近IPAにハマっています。ちょっと値段は高いですが、その美味しさを知れば虜になるはず。常にIPAでなくても、特別な時にIPAをお供にしてみてはいかがでしょうか。そこで今回は私がおすすめするIPA5選をご紹介致します。 ① BREWDOG / PUNK IPA BREWDOGはジェームズ・ワットとマーティン・ディッキーによって創業された。彼らは、英国のビール市場を支配している工業生産されたラガーや面白みのないエールに飽きていた。この望ましくない状況を解決するベストな方法として、自分たちでビールを醸造するため、2007年4月にブリュードッグを創業した。 当時まだ24歳だった僕たちは、愛犬ブラッケンとともに本格的なクラフトビール造りをスタートさせた。スコットランド・フレーザーバラの工業団地に倉庫を借り、醸造した少量のビールを手で詰めて、古いバンの荷台から販売していた。 PUNK IPAは、BREWDOG誕生のきっかけを作ったビール。この軽やかな黄金色のクラシックビールは、新世界のホップを使って爆発的な風味を生み出した。グレープフルーツ、パイナップル、ライチのようなトロピカルフルーツとキャラメルの香りが漂い、最後にスパイシーな苦味が残る。成城石井などでもお買い求めできます。 ② MODERN TIMES / FRUITLANDS 乳酸菌由来の爽やかな酸味と果実のフルーティーさが楽しめるModern Timesの定番商品。 これまで大瓶として発売されていたが、2017年よりパッションフルーツ&グァバ・バージョンが新たに缶商品の仲間入りを果たした。 元々は16世紀にドイツのゴスラーにて誕生したビアスタイル「Gose」は塩、小麦麦芽、コリアンダーとホップを使用し、煮沸前に乳酸菌で発酵させ、煮沸後さらに通常発酵をさせて作られる、心地よい酸味と塩気を特徴とするサワー・セッションビール。 18世紀にはライプツィヒにて人気を博し、第二次大戦後には一度絶滅しかけるも、復刻。 現在ではアメリカの醸造家によって見直され、2013年あたりからいくつかのブリュワリーが醸造し始めている近年流行のスタイル。 この伝統的なビールスタイルをベースとして、パッションフルーツとグァバをどっさり投入することで、トロピカルフルーツ感満

知ってた?アメリカで巻き起こったチキンサンドブーム

みなさんは今年の夏にアメリカで起こった空前のチキンサンドムーブメントをご存じでしょうか?アメリカのファストフードチェーン「ポパイズ・ルイジアナ・キッチン」からチキンサンドが$3.99で発売されると瞬く間に全米でブームになりどこの店舗でも行列が発生。売り切れ続出で入手困難な状況になりました。 また、ポパイズに対抗して同じくファストフードチェーンの「チックフィレイ」やケンタッキーなどもチキンサンドを相次いで発売。チキンサンドブームからチキンサンド戦争へと発展していきました。 (産経デジタル: https://www.sankei.com/world/news/190831/wor1908310010-n1.html  MashupNY: http://www.mashupreporter.com/cpopeyes-chicken-sandwich-war/ ) 一時は売れすぎて販売中止になっていたチキンサンドですがこの度販売を再開したそうです。その様子をMashupNYが伝えています。(こちらを参照: https://www.mashupreporter.com/try-popeyes-chicken-sandwich/?fbclid=IwAR0UIF2R35ZqISojJLmmKdj8MzfD0s77MtGKZn6Dn1RhDuWZ-gCZZJrOirI ) また、最近になってKFCがドーナツでチキンを挟んだ商品を発売。 ケンタッキーフライドチキン(KFC)の人気メニューといえば、やはりカーネルおじさんの秘密のスパイスがヤミツキになるおいしさのフライドチキンである。しかし特製メープルシロップをかけるビスケットなどサイドメニューやチキンフィレサンドなどサンド系も捨てがたいおいしさとなっておりついつい欲張ってしまうのである。 だからもう全部合体させちゃえばどう?ということなのかどうかは分からないままに、アメリカのKFCからインパクトもカロリーもすごそうな新商品が期間限定で一部地域に登場したようだ。 「今年最もクレイジーなチキンサンド」と海外メディアで話題の商品、それはスイーツとフライドチキンとサンドを一緒に楽しめるドーナツサンド。 ・チキンフィレをドーナツ2個でサンドしたハイカロリー爆弾 日本のタピオカブームの裏でアメリカでは熾烈なチ