スキップしてメイン コンテンツに移動

アメリカの賭博と税ー競馬編


こんにちは。皆さんはギャンブルをしますか?最近ではウマ娘の影響などで幅広い世代で競馬が楽しまれていますね。しかし、この間、吉本の芸人さんが競馬での所得を申告していなかった都市で莫大な追徴課税を支払うということがおきました。今回はアメリカのギャンブル事情について解説していきたいと思います。

日本とアメリカの競馬に対する課税の違い

結論から言うと「日本はハズレ馬券を経費として認めないがアメリカは認める」という違いです。

馬券の払戻金に対して過大な課税がされた裁判の件は、現在、高等裁判所の刑事裁判でも,地方裁判所の税務訴訟でも,互いの書面の提出が続いている段階で、まだ結審の見通しは立っていません。さて、今回の裁判をきっかけに競馬の払戻金について諸外国の法制度がどうなっているのかを調べてみました。

アメリカ合衆国については、きちんと制度が整っており、以下のような課税になっているようです。まず、アメリカでは内国歳入法という法律で、所得税が定められています。そして、競馬などギャンブルで得た利益(gambling winnings)については、「その他の所得(other income)」として,所得に算入されることになっています。これは、カジノで得られた利益のほか、宝くじ、競馬の払戻金などが含まれます。


この場合,その年度に被ったギャンブルの損失額(gambling losses)は、その年度のギャンブルで得た利益を限度に損失として控除することができます(伊藤公哉「アメリカ連邦税法・第4版」86頁,298頁参照)。要するに,外れ馬券の購入費も、払戻金の額を超えるまでは,すべて経費として認められているのです。また、アメリカの判例によれば,賭博で生計を立てていることを立証した場合、賭博の損失は事業経費として控除できるとされています(同書101頁)。

このようなアメリカの取扱いは、実態に即した合理的なもので、日本でも本来このように考えられるべきでしょう。日本の所得税法は,第二次大戦後の昭和25年、アメリカ合衆国より派遣されたシャウプ博士によるシャウプ勧告によって形成されたものです。そして、アメリカ内国歳入法にいう「その他の所得」とは、いわば我が国の「雑所得」ないしは「一時所得」に類するものです。

そうすると国税当局が主張しているところの,外れ馬券は必要経費とならないという見解は、このような比較法や、所得税法の沿革的な見地からも、疑問といえるのではないでしょうか。(弁護士法人 中村和洋 法律事務所より引用)


いかがでしたか。アメリカに比べて日本の税金の縛りはきついですね。せっかくの競馬ブームが下火にならないようにしてほしいですね。それでは、また。

コメント

このブログの人気の投稿

幻の英雄ボビーフィッシャー

  こんにちは。管理人です。最近なかなかネタが無くて困っているのですが、日本では将棋の藤井壮太さんがタイトルを獲得し話題になっていますね。そこで今回はアメリカで幻の英雄の異名を持つ天才チェスプレイヤーボビー・フィッシャーについて解説したいと思います。 生い立ち ボビー・フィッシャー(Bobby Fischer、1943年3月9日 - 2008年1月17日)は、アメリカ合衆国のチェスプレーヤー。チェスの世界チャンピオン(1972年 - 1975年)。本名ロバート・ジェームズ・フィッシャー(Robert James Fischer)。 1943年3月9日、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにおいて誕生。その後ニューヨークのブルックリンに移住。母親のレジーナ・ウェンダー・フィッシャーは当初ハーマン・J・マラーに秘書として雇われたが、マラーに才能を見い出されて、医学を学ぶように薦められた。父親のハンス・ゲルハルト・フィッシャーは、ハーマン・J・マラーと共にモスクワの大学へ招聘された生物物理学者である。2人はモスクワで結婚し、娘のジョーンが生まれた。しかし、ソ連で反ユダヤ主義が広がり出すと、ユダヤ人の2人はパリへ移住した。後にレジーナは離婚し、国籍を持っていたアメリカへ子供を連れて移住するが生活は苦しく、ジョーンを父親に預けていた。また、シカゴの病院でロバートを出産した時には、ホームレス同然だった。出生証明書にある父親の記入欄にはハンスの名が記載されているが、彼は生涯アメリカに入国したことはなかった。1949年(6歳)、ボビーの姉は、落ち着きのない弟を静かにさせるため、1ドルのチェス・セットを与えて、チェス・ゲームの簡単なルールを教えた。そこでボビーは、すぐにチェス・ゲームの虜となった。1957年(14歳)、インターナショナル・マスターとなる。 翌年(1958年、15歳)、グランドマスターとなる。15歳でのグランドマスターは、世界最年少記録だった。だが、1962年(19歳)、国際舞台から引退した(但しアメリカ国内の大会には出場した)。 プレー・スタイルにはボビー・フィッシャーならではのものがある。例えば、1956年の対ドナルド・バーン戦において、クイーンをわざと捨てることで、勝利した。また、1963年の対ロバート・バーン戦においても、ナイトを捨てて勝利した。しばしば、「天才」と称

アメリカの美味しいIPA

こんにちは。管理人です。皆さんは普段どんなビールを飲んでいますか?私は最近IPAにハマっています。ちょっと値段は高いですが、その美味しさを知れば虜になるはず。常にIPAでなくても、特別な時にIPAをお供にしてみてはいかがでしょうか。そこで今回は私がおすすめするIPA5選をご紹介致します。 ① BREWDOG / PUNK IPA BREWDOGはジェームズ・ワットとマーティン・ディッキーによって創業された。彼らは、英国のビール市場を支配している工業生産されたラガーや面白みのないエールに飽きていた。この望ましくない状況を解決するベストな方法として、自分たちでビールを醸造するため、2007年4月にブリュードッグを創業した。 当時まだ24歳だった僕たちは、愛犬ブラッケンとともに本格的なクラフトビール造りをスタートさせた。スコットランド・フレーザーバラの工業団地に倉庫を借り、醸造した少量のビールを手で詰めて、古いバンの荷台から販売していた。 PUNK IPAは、BREWDOG誕生のきっかけを作ったビール。この軽やかな黄金色のクラシックビールは、新世界のホップを使って爆発的な風味を生み出した。グレープフルーツ、パイナップル、ライチのようなトロピカルフルーツとキャラメルの香りが漂い、最後にスパイシーな苦味が残る。成城石井などでもお買い求めできます。 ② MODERN TIMES / FRUITLANDS 乳酸菌由来の爽やかな酸味と果実のフルーティーさが楽しめるModern Timesの定番商品。 これまで大瓶として発売されていたが、2017年よりパッションフルーツ&グァバ・バージョンが新たに缶商品の仲間入りを果たした。 元々は16世紀にドイツのゴスラーにて誕生したビアスタイル「Gose」は塩、小麦麦芽、コリアンダーとホップを使用し、煮沸前に乳酸菌で発酵させ、煮沸後さらに通常発酵をさせて作られる、心地よい酸味と塩気を特徴とするサワー・セッションビール。 18世紀にはライプツィヒにて人気を博し、第二次大戦後には一度絶滅しかけるも、復刻。 現在ではアメリカの醸造家によって見直され、2013年あたりからいくつかのブリュワリーが醸造し始めている近年流行のスタイル。 この伝統的なビールスタイルをベースとして、パッションフルーツとグァバをどっさり投入することで、トロピカルフルーツ感満

知ってた?アメリカで巻き起こったチキンサンドブーム

みなさんは今年の夏にアメリカで起こった空前のチキンサンドムーブメントをご存じでしょうか?アメリカのファストフードチェーン「ポパイズ・ルイジアナ・キッチン」からチキンサンドが$3.99で発売されると瞬く間に全米でブームになりどこの店舗でも行列が発生。売り切れ続出で入手困難な状況になりました。 また、ポパイズに対抗して同じくファストフードチェーンの「チックフィレイ」やケンタッキーなどもチキンサンドを相次いで発売。チキンサンドブームからチキンサンド戦争へと発展していきました。 (産経デジタル: https://www.sankei.com/world/news/190831/wor1908310010-n1.html  MashupNY: http://www.mashupreporter.com/cpopeyes-chicken-sandwich-war/ ) 一時は売れすぎて販売中止になっていたチキンサンドですがこの度販売を再開したそうです。その様子をMashupNYが伝えています。(こちらを参照: https://www.mashupreporter.com/try-popeyes-chicken-sandwich/?fbclid=IwAR0UIF2R35ZqISojJLmmKdj8MzfD0s77MtGKZn6Dn1RhDuWZ-gCZZJrOirI ) また、最近になってKFCがドーナツでチキンを挟んだ商品を発売。 ケンタッキーフライドチキン(KFC)の人気メニューといえば、やはりカーネルおじさんの秘密のスパイスがヤミツキになるおいしさのフライドチキンである。しかし特製メープルシロップをかけるビスケットなどサイドメニューやチキンフィレサンドなどサンド系も捨てがたいおいしさとなっておりついつい欲張ってしまうのである。 だからもう全部合体させちゃえばどう?ということなのかどうかは分からないままに、アメリカのKFCからインパクトもカロリーもすごそうな新商品が期間限定で一部地域に登場したようだ。 「今年最もクレイジーなチキンサンド」と海外メディアで話題の商品、それはスイーツとフライドチキンとサンドを一緒に楽しめるドーナツサンド。 ・チキンフィレをドーナツ2個でサンドしたハイカロリー爆弾 日本のタピオカブームの裏でアメリカでは熾烈なチ