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フィールド・オブ・ドリームスが実現


 現地8月12日、アイオワ州ダイアーズビルで長年の野球ファンの夢がかなった。

それはフィールド・オブ・ドリームスゲームである。これはMLBが2019年から進めてきたプロジェクトで、あの有名な野球映画「フィールド・オブ・ドリームス」に登場するトウモロコシ畑の球場を作り、そこで試合を行うというものである。本来は2020年夏にホワイトソックス対カージナルスのカードで開催する予定だったがコロナのため今年に延期された。

対戦カードはホワイトソックス対ヤンキースに変更されたが、これがドラマを生んだ。

試合はソックスがアブレイユのHRで先制するとその後ヤンクスのジャッジの逆転HRが飛び出す。そのごシカゴがヒメネスらのHRでリードを広げるも9回表、シカゴの守護神ヘンドリックスが捕まる。2アウトからジャッジに2ランを打たれ一点差に迫られると一人四球で歩かせ、続くスタントンに初球を叩かれ逆転2ランを浴びてしまう。

これだけでもドラマチックだがドラマはまだ続いた。その裏、シカゴは1アウトから四球でランナーを出すと、続くアンダーソンが初球をライトへ強く叩くとボールはそのまま夜のトウモロコシ畑に消えていった。結果試合はホワイトソックスが9対8でヤンクスに勝利した。

また、この試合はスタートもすばらしかった。コスナーは、試合の1時間前の特番から出演。映画でシューレス・ジョー・ジャクソンを演じたレイ・リオッタは、出演こそしなかったものの、この日のために作られた短いビデオのナレーターを務めていた。いよいよ試合が始まるという時、カメラは、とうもろこし畑の中を歩くコスナーを背中からゆっくりと追い始める。背後に流れている音楽は、映画のテーマミュージック。くぐりぬけた先にあるのは、まさに映画で見たような球場だ。彼はゆっくり、マウンドに向かって歩き続ける。そしてある時、ふと振り返ると、これまた映画のように、とうもろこし畑から選手たちが出てくるのだ。この演出がなんとも興奮させるのである。コスナーは、その後の感動のスピーチを、「Is this heaven? Yes, it is」という言葉で締め括った。もちろん、映画に出てくる「Is this heaven? 」「It’s Iowa」という会話のやりとりを受けたものだ。 

ケビン・コスナー主演の1989年の映画にオマージュを捧げ、映画の舞台であるアイオワ州に作られた球場で行われたホワイトソックス対ヤンキースの試合は、アメリカで、テレビとストリーミングを合わせ、なんと590万人の視聴者を集めた(アメリカでは、視聴率をパーセンテージではなく人数で表記する)。メジャーリーグのレギュラーシーズンの試合としては、2005年以後、最高の数字だ。試合を放映したフォックス・スポーツによると、広告収入も、メジャーリーグのレギュラーシーズンとしては自社最高記録だったという。ただし、フォックスは、具体的な数字は公表していない。また、試合の後、「フィールド・オブ・ドリームス」のDVDとブルーレイの売り上げは、Amazonで3000位台から一気に6位にまで上昇している。このゲームは毎年開催される予定で、既に来年のカードはレッズ対カブスに決定している。 

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