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アメリカの成功事例にみる大学アスリートの編入について

 

(花咲徳栄時代の千丸 剛)

千丸 剛に懲役5年の実刑が言い渡された。千丸は野球の強豪校、花咲徳栄でキャプテンを務め甲子園優勝を果たした実力者だ。同期には現西武の西川愛也らがいる。

しかし、その後進学した駒澤大学野球部で先輩から根性焼きなどの悪質ないじめを受け野球部を退部。さらに同大学を自主退学した。その後、堕落した生活をしていたところに友人が怪しいバイトに誘い、結果的には老人宅に押し入り強盗致傷罪を犯した。

この一件は駒澤大学を退学した後なので同大学に法的責任はないが、全ての根源は明らかに同大学の野球部である。この野球部のコンプライアンスが遵守されていれば、元甲子園優勝校の主将が犯罪者になることは無かっただろう。そして、日本に大学アスリートの編入文化が根付いてればもっと恵まれた環境でプレーし、学園生活を送れていたことだろう。

私が編入制度を推進したい事例として現NFLペイトリオッツでプレーするキャム・ニュートンが挙げられる。

(キャム・ニュートン)

彼は最初フロリダ大学に入学しQBとしてプレーしていたが、怪我をして1年目はレッドシャツツ(休養)となった。その年のニュートンは退学後の千丸のようにやる事もなく、暇な生活を送っていた。そんな時彼は他の生徒のノートパソコンを盗み、その後の取り調べの隙をついてパソコンを捨て証拠隠滅を図るが、パソコンが見つかり失敗。窃盗と証拠隠滅の罪で同大学を退学処分となった。しかし、彼はアメフトを辞めなかった。

その後ブリン大学というNCAA2部の無名大学で1年プレーする。するとその活躍を見たアメフト名門校のオーバーン大学が彼をスカウトし、彼はオーバーン大学に進学する。するとその年、なんと彼はオーバーンを全米チャンピオンに導いたのだ。しかも彼はハイズマン賞(最終週選手賞)まで受賞する。その後NFLドラフトでパンサーズに指名され彼は目標だったNFL選手になるのであった。

アメリカではニュートンの様なケース以外にもスタメンが取れなさそうだから転校したり、チームの方針と合わないから転校するといった例はよくある。昨年のNFLドラフトで全体1位指名されたジョー・バロウ(ベンガルズ)はルイジアナ州立大で全米チャンピオンになったが、もともとはオハイオ州立大の選手だった(出身地もオハイオ)また、イーグルスに指名されたジェイレン・ハーツもオクラホマ州立大からプロに入ったが、元々はアラバマ大学の選手だった。この2人の転校理由はQBとしてスタメンでのプレーが難しくなったからである。スタメンでプレーできなければプロ入りは難しいため、転校当然の選択なのだ。

(ジョー・バロウ)

私はこういった転校を積極的に勧めたい。特にそれを強く思ったのが、少し前に世間を騒がせた日大悪質タックル事件である。当事者の宮川泰介(日大)はコーチ・監督の指示で悪質タックルをしたわけで、悪いのは彼ではない。当時の日大アメフト部のような環境でそもそもプレーするべきではないし、結果的に日大アメフト部は1年間の活動休止となった。

(宮川泰介)

そうなってしまうと当事者ではない無罪の選手はプレーする機会を失う。こういった日本ならではの連帯責任はあってはならないことだ。アメリカではまずありえない。私はこういった時にこそ編入制度を使ってほかの大学に転校すべきだと思う。受け入れる大学も強くて正確に問題がない選手をタダでゲットできるわけだから損はない。両者ウィンウィンである。

ただ、日本でそのようなことをすれば確実にメディアの標的になり、批判も相次ぐだろう。大学側はそれを恐れてなかなか実行できないのかもしれない。しかし、千丸のようなケースを2度と作らないためにも、1日も早い対策をUNIVASやスポーツ庁には考えて欲しい。

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