スキップしてメイン コンテンツに移動

R.I.P-RBG

 


2020年9月18日(現地時間)、米最高裁判所判事であるルース・ベイダー・ギンズバーグ氏が、膵臓がんによる合併症のためのため87歳で逝去しました。女性だけではなくすべての人のため、そして社会のために生涯を捧げたギンズバーグ判事は、「RBG」というニックネームで親しまれ、多くの人々から絶大な信頼を寄せられていました。


そんなギンズバーグ判事はアメリカで歴代2人目の女性判事で、25年以上も米最高裁で判事を務めました。「女性の味方」として描かれることが多いものの、実は女性だけではなく、男性を含む、すべての人にとっての平等な権利のために闘ってきたよう。


本記事では、故ギンズバーグ判事が、どのようにアメリカ社会における「平等」のために身を捧げてきたかをお届けします。


女性だけではなく男性のためにも

女性だけではなく、「すべての人にとっての平等」を徹底したギンズバーグ判事。彼女が1975年に関与した「Weinberger v. Wiesenfeld」というケースでは、連邦社会保障法の遺族給付を、妻だけではなく夫にも給付されるように法整備を促したのだそう。


簡単に説明すると、それまで夫が死亡し未亡人になった妻たちは、遺族給付を受けることができましたが、妻が死亡した場合に未亡人となった夫には、支給が許されていなかったのです。これは、女性・妻は男性・夫よりも常に収入が少なく、扶養を受けるべきということが前提となっていました。


当時女性の社会進出が進む中、女性たちを時代遅れな考え方から救い出すためだけではなく、男性だけが家族の収入の責任を負うべきであるという考え方から解放することにも、焦点を当てていたのだそう。


すべての人の味方

ギンズバーグ判事が考えるフェミニズムは、女性が権利を得るために男性の権利をはく奪するような「ジェンダー間の闘いや分断」に陥ることは正しくないということ強調していました。ギンズバーグ判事の裁判における主軸は、すべての人、ジェンダーにとっての平等のために闘うことだったそう。


ギンズバーグ判事は、「ジェンダーに基づく差別は、すべての人にとって傷になりうることなのです」としながら、他のマイノリティたちが苦しむ抑圧にも闘う姿勢を崩しませんでした。


LGBTQ+当事者たちや障がい者たちが受ける差別の廃止、そしてより多くの人への選挙権付与、「書類なき移民」の権利、そして環境問題など、人々が住む世界をより良いものにするために闘い続けたギンズバーグ判事。


彼女は「女性のための」スーパーヒーローだったわけではなく、自分の人生を人々のために捧げた「みんなのスーパーヒーロー」だったのです。


コメント

このブログの人気の投稿

幻の英雄ボビーフィッシャー

  こんにちは。管理人です。最近なかなかネタが無くて困っているのですが、日本では将棋の藤井壮太さんがタイトルを獲得し話題になっていますね。そこで今回はアメリカで幻の英雄の異名を持つ天才チェスプレイヤーボビー・フィッシャーについて解説したいと思います。 生い立ち ボビー・フィッシャー(Bobby Fischer、1943年3月9日 - 2008年1月17日)は、アメリカ合衆国のチェスプレーヤー。チェスの世界チャンピオン(1972年 - 1975年)。本名ロバート・ジェームズ・フィッシャー(Robert James Fischer)。 1943年3月9日、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにおいて誕生。その後ニューヨークのブルックリンに移住。母親のレジーナ・ウェンダー・フィッシャーは当初ハーマン・J・マラーに秘書として雇われたが、マラーに才能を見い出されて、医学を学ぶように薦められた。父親のハンス・ゲルハルト・フィッシャーは、ハーマン・J・マラーと共にモスクワの大学へ招聘された生物物理学者である。2人はモスクワで結婚し、娘のジョーンが生まれた。しかし、ソ連で反ユダヤ主義が広がり出すと、ユダヤ人の2人はパリへ移住した。後にレジーナは離婚し、国籍を持っていたアメリカへ子供を連れて移住するが生活は苦しく、ジョーンを父親に預けていた。また、シカゴの病院でロバートを出産した時には、ホームレス同然だった。出生証明書にある父親の記入欄にはハンスの名が記載されているが、彼は生涯アメリカに入国したことはなかった。1949年(6歳)、ボビーの姉は、落ち着きのない弟を静かにさせるため、1ドルのチェス・セットを与えて、チェス・ゲームの簡単なルールを教えた。そこでボビーは、すぐにチェス・ゲームの虜となった。1957年(14歳)、インターナショナル・マスターとなる。 翌年(1958年、15歳)、グランドマスターとなる。15歳でのグランドマスターは、世界最年少記録だった。だが、1962年(19歳)、国際舞台から引退した(但しアメリカ国内の大会には出場した)。 プレー・スタイルにはボビー・フィッシャーならではのものがある。例えば、1956年の対ドナルド・バーン戦において、クイーンをわざと捨てることで、勝利した。また、1963年の対ロバート・バーン戦においても、ナイトを捨てて勝利した。しばしば、「天才」と称

アメリカの美味しいIPA

こんにちは。管理人です。皆さんは普段どんなビールを飲んでいますか?私は最近IPAにハマっています。ちょっと値段は高いですが、その美味しさを知れば虜になるはず。常にIPAでなくても、特別な時にIPAをお供にしてみてはいかがでしょうか。そこで今回は私がおすすめするIPA5選をご紹介致します。 ① BREWDOG / PUNK IPA BREWDOGはジェームズ・ワットとマーティン・ディッキーによって創業された。彼らは、英国のビール市場を支配している工業生産されたラガーや面白みのないエールに飽きていた。この望ましくない状況を解決するベストな方法として、自分たちでビールを醸造するため、2007年4月にブリュードッグを創業した。 当時まだ24歳だった僕たちは、愛犬ブラッケンとともに本格的なクラフトビール造りをスタートさせた。スコットランド・フレーザーバラの工業団地に倉庫を借り、醸造した少量のビールを手で詰めて、古いバンの荷台から販売していた。 PUNK IPAは、BREWDOG誕生のきっかけを作ったビール。この軽やかな黄金色のクラシックビールは、新世界のホップを使って爆発的な風味を生み出した。グレープフルーツ、パイナップル、ライチのようなトロピカルフルーツとキャラメルの香りが漂い、最後にスパイシーな苦味が残る。成城石井などでもお買い求めできます。 ② MODERN TIMES / FRUITLANDS 乳酸菌由来の爽やかな酸味と果実のフルーティーさが楽しめるModern Timesの定番商品。 これまで大瓶として発売されていたが、2017年よりパッションフルーツ&グァバ・バージョンが新たに缶商品の仲間入りを果たした。 元々は16世紀にドイツのゴスラーにて誕生したビアスタイル「Gose」は塩、小麦麦芽、コリアンダーとホップを使用し、煮沸前に乳酸菌で発酵させ、煮沸後さらに通常発酵をさせて作られる、心地よい酸味と塩気を特徴とするサワー・セッションビール。 18世紀にはライプツィヒにて人気を博し、第二次大戦後には一度絶滅しかけるも、復刻。 現在ではアメリカの醸造家によって見直され、2013年あたりからいくつかのブリュワリーが醸造し始めている近年流行のスタイル。 この伝統的なビールスタイルをベースとして、パッションフルーツとグァバをどっさり投入することで、トロピカルフルーツ感満

知ってた?アメリカで巻き起こったチキンサンドブーム

みなさんは今年の夏にアメリカで起こった空前のチキンサンドムーブメントをご存じでしょうか?アメリカのファストフードチェーン「ポパイズ・ルイジアナ・キッチン」からチキンサンドが$3.99で発売されると瞬く間に全米でブームになりどこの店舗でも行列が発生。売り切れ続出で入手困難な状況になりました。 また、ポパイズに対抗して同じくファストフードチェーンの「チックフィレイ」やケンタッキーなどもチキンサンドを相次いで発売。チキンサンドブームからチキンサンド戦争へと発展していきました。 (産経デジタル: https://www.sankei.com/world/news/190831/wor1908310010-n1.html  MashupNY: http://www.mashupreporter.com/cpopeyes-chicken-sandwich-war/ ) 一時は売れすぎて販売中止になっていたチキンサンドですがこの度販売を再開したそうです。その様子をMashupNYが伝えています。(こちらを参照: https://www.mashupreporter.com/try-popeyes-chicken-sandwich/?fbclid=IwAR0UIF2R35ZqISojJLmmKdj8MzfD0s77MtGKZn6Dn1RhDuWZ-gCZZJrOirI ) また、最近になってKFCがドーナツでチキンを挟んだ商品を発売。 ケンタッキーフライドチキン(KFC)の人気メニューといえば、やはりカーネルおじさんの秘密のスパイスがヤミツキになるおいしさのフライドチキンである。しかし特製メープルシロップをかけるビスケットなどサイドメニューやチキンフィレサンドなどサンド系も捨てがたいおいしさとなっておりついつい欲張ってしまうのである。 だからもう全部合体させちゃえばどう?ということなのかどうかは分からないままに、アメリカのKFCからインパクトもカロリーもすごそうな新商品が期間限定で一部地域に登場したようだ。 「今年最もクレイジーなチキンサンド」と海外メディアで話題の商品、それはスイーツとフライドチキンとサンドを一緒に楽しめるドーナツサンド。 ・チキンフィレをドーナツ2個でサンドしたハイカロリー爆弾 日本のタピオカブームの裏でアメリカでは熾烈なチ