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2月, 2020の投稿を表示しています

混沌とするニューヨークその③ 増加するヘイトクライムと反警察

憎悪犯罪(ヘイトクライム)は2018年の356件から428件へと増加した。ユダヤ教徒への憎悪犯罪は全体の55%を占め、186件から234件へと増加している。これらには、かぎ十字の落書きなども含まれる。 コロナウィルスによるアジア人風評被害 マンハッタンのチャイナタウンで1日午後6時頃、マスク姿の女性が暴行される事件が発生した。ニューヨーク市警察(NYPD)は4日、憎悪犯罪(ヘイトクライム)の可能性があるとして、被害を届け出るよう呼びかけている。 NYPDがシェアした動画には、フードを被りメガネと黄色いマスクを着用した女性が、男性から暴行される様子が映っている。 ニューヨークポスト紙によると、Dトレインのグランドストリート(Grand Street)で事件を撮影した人物は、マスク姿の女性は地下鉄の出口階段の上に座りこんでいたとSNSで説明している。彼女は階段を通る人々に対して、右側を通るように言っていたという。 男性が、マスク姿の女性に「病気のビッチめ」と言った後、女性は男性にその場を退くよう伝えた。その後、男性は女性に顔を近づけ、周りに音が聞こえるほど強く頭を殴ったという。目撃者は、この段階からビデオを撮影し始めた。 殴られた女性はガラス瓶を持ち、男性を追いかけた後、男性が女性に反撃した。女性は瓶を地面に投げつけ、周りの人に対しても敵対的な態度だったと述べている。顔は見えなかったので、アジア系かどうかは不明だとしている。 撮影者は「両方に非があるように見えるが、人種間の敵対意識によって状況がエスカレートしたように思う。」と見解を述べた。 同事件に関して、コロナウイルスによる憎悪犯罪だと報じるメディアも複数見られた。 この事件とは別に、アジア系女性に差別的な言葉を浴びせた男性が、職場を解雇される出来事もあった。 20代の男性は、外で空き缶を収集している女性を撮影しながら「だからウイルスに感染するんだ。ゴミ箱からあさり続ければいい。このばかもの。」と発言。その動画をSNSに投稿した。動画は既に削除されているが、Redditなどで拡散されている。 男性はこの動画が原因で、勤め先を解雇された。男性はgothamistで事実を認め、謝罪を表明した。 ユダヤ人襲撃事件 ユダヤ教徒の祭日ハヌカ(Hanukkah)の期間中、ニューヨ

混沌とするニューヨークその② ニューヨークから出ていく人々

昨年ニューヨーク州から流出した人は18万649人となり、人口減少が全米最多の7万6,790人(0.4%減)となったことが分かった。 米国税調査の発表によると、ニューヨーク州の人口は1945万3,561人で、カリフォルニア州(3951万2,223人)、テキサス州 (2899万5,881人)、フロリダ州 (2147万7,737人)に次いで第4番目。 シンクタンクのThe Empire Centerによると、2019年ニューヨーク州に移住した外国人移民の数は4万5,753人で、2010年以来最少となった。 ニューヨーク州からの流出人口は2010年以来、合計140万人に達している。人口増加数は7万5,469人(0.4%増)で、は50州のうち46番目。 人気の移住先はフロリダ州 ニューヨークポストによると、The Empire Centerの分析では、2010年から2018年でニューヨーク州から州外に移住した人の5人に1人以上(21.3%)がフロリダ州に転居している。これらの人々の平均年収は約9万ドル(約980万円)だという。 トランプ大統領 もフロリダ州に移住した人の一人だ。トランプ氏は昨年9月、メラニア夫人とともに主な居住地をマンハッタンからフロリダ州パームビーチのマーアラーゴに移している。 隣のニュージャージー州に移住した人は16%で平均年収は9万6,650ドルだった。他には、ノースキャロライナ州(8%)、ペンシルヴェニア州(7%)、カリフォルニア州(6%)、テキサス州(6%)などに引っ越ししている。 米国の自然増加数が100万人以下に 国税調査によると米国の自然増加数(出生数から死亡数を引いたもの)は減少傾向にあり、2018年から2019年は95万6,674人で、直近の10年で初めて100万人を下回った。 国外から流入した移民人口は59万5,348人に減少。最も多かった2016年の104万6,709人から45万人近く減少している。 ニューヨークは物価と家賃が高いので引っ越すというミドル層や、冬は寒いし、落ち着かないので老後は温かくてのんびりした場所で過ごしたいと思うリタイア層の影響があるのかもしれませんね。フロリダのウェストパームビーチなどは富裕層のリタイア後の隠居生活をする人たちに人気のある場所となっています。管理人もパームビーチ

混沌とするニューヨークその① 追い出されるホームレス

最近ニューヨークが混沌としているように感ている管理人です。よって今週からニューヨークの特集シリーズを投稿していきます。今回はニューヨークのホームレス追い出し政策についてです。 ハワイ州のJohn Mizuno下院議員は31日、「ニューヨーク市のホームレスの市民を他州に送る政策」に違法性があるとして、ウィリアム・バー司法長官に宛てた書簡で調査を求めた。 Mizuno議員が問題視するのはニューヨーク市が2017年から開始した「Special One-Time Assistance Program(SOTA)」と呼ばれるホームレスの自立支援プログラム。プログラムでは、一定の条件を満たす家族や個人に対し、シェルターを離れ、市内およびニューヨーク州、他州で生活するために一年分の家賃を提供している。市ホームページによると、サービスを受けるには、90日間以上市のシェルターに入っていることや家計所得が家賃の2倍を超えていないことを条件としている。 ニューヨークポスト紙によると、これまで市が負担した家賃は8,900万ドル(約97億円)で、5,074家族、12,482人がプログラムによる支援を受けている。移動先は全米の373都市、ハワイを含む32州とプエルトリコにまたがる。さらに、市は旅費や家具などのコストも負担しているという。 Mizuno議員は書簡で、プログラムは「移転させられたホームレスの個人または家族が必要とする安全性と福祉、継続的な支援」を提供していないと述べ、SOTAは「ニューヨークから運び出されたホームレスに災難と非人道的な状況を生み出している」と主張。「ハワイの住人の多くが、この違法プログラムが、ハワイのすでに酷い状況を悪化させる可能性があると深刻な懸念を抱いている」と述べた。 プログラムに反対しているのはハワイだけではない。これまで278家族が移転したニュージャージー州アービントンのTony Vauss市長は、「ニューヨーク市のコミュニケーション不足とプログムに対する監督の欠如に非常に困惑している」とニューヨークポスト紙の取材に述べ、「SOTAの資金提供が終了すると、受給者は自身を維持するためにわれわれの州と地域のリソースを使用することになる」と批判。またジョージア州ウィラコーチーやユタ州ハリスビルの市長は、プログラムの存在自体に驚いた反応