日本人なら毎年3月になると東日本大震災を思い出すだろう。日本は阪神淡路大震災もあったので、東西で大地震を経験した人が多い。では、アメリカはどうなのか。アメリカは自身大国日本に比べれば圧倒的に地震が少ないが、西海岸では時々大きな地震がある。今回はアメリカで発生した大地震について説明する。 1.サンフランシスコでの地震 サンフランシスコは過去2回大地震を経験している。1906年のサンフランシスコ地震と1989年の ロマプリータ地震 である。ロマプリータ地震のさいはMLBワールドシリーズが一旦中断された。 ロマ・プリータ地震による被害状況は以下の通りである。 死者:62名(地震による直接的犠牲者のみ) 負傷者:3,208名 罹災者数:55,000名 火災発生件数:約50件 被害総額:70 - 80億ドル サンフランシスコ市内では、海岸部に位置するマリーナ・ビーチで液状化現象が発生し、木造建物などの倒壊が相次ぎ、火災も発生した。サンフランシスコの対岸にあるオークランド郊外を走る高速道路880号では、揺れに耐えきれず高架橋が倒壊した。この高速道路は1950年代の古い設計で、ダブルデッキ式であったため、上層の高架が崩壊して下層を走行していた自動車を押し潰し、上層を走行していた自動車も高架道路から投げ出されるなどした。下敷きとなった高速道路では41人の死者と多くの負傷者を出し、負傷者の中には瀕死の重傷を負った人や押し潰された自動車の中から3日ぶりに救出された人(1か月後に死亡)もいた。この被害は全世界の新聞・ニュースで大きく取り上げられた。サンフランシスコとオークランドを結ぶサンフランシスコ・オークランド・ベイブリッジも地震により橋の一部が崩落したが、わずか1か月後の11月18日に復旧した。長距離旅客鉄道を運行するアムトラックはオークランド・ダウンタウンの駅が被害を受けたため、オークランド市内への鉄道での乗り入れを一時中止した。 サンタクルーズの被害 震源に近いサンタクルーズ郡では6000戸ほどの建物が倒壊した。サンタクルーズ市のダウンタウンでは古いレンガ造りの建物が倒壊し、3人の死者を出した[5]。 2.アラスカでの地震 当時のアンカレッジ アラスカ地震 (詳細) 131人が地震で死亡した。9人は建物の倒壊など地震による直接の被害での死者であり、106人がアラスカ内で津波の影響